1.はじめに ------------
2014年5月12日からリアルトレードで運用中の
NYボックス ver.7.0(ユーロ円)について、
2011年以降のデータを用いたバックテストの結果を公開します。
以下、次のような構成となっています。
2節ではバックテストの条件を示し、
3節では損益%によるグラフ、
4節では数値データでバックテスト結果を示しています
次に
5節ではトレード間隔日数、
6節ではエントリーからエグジットまでの日数について
整理をしました。
最後に今後の課題などをまとめています
なお今回の記事ですが、
なるべく整理しコンパクトを心がけましたが、
長文となっています。
2.バックテスト条件 ------------
対象とするマイルールは運用中のNYボックス ver.7.0です。
通貨ペアはユーロ円。
1トレードにおける許容リスクは、
エントリー前の資産に対して最大で1%まで
テスト期間は2011年1月~2014年4月までの、
3年4カ月を対象とし、フォレックステスターを用いて、
ローソク足を1本ずつ表示しながら、テストを行いました。
バックテストにかかる所要時間の目安ですが、
1ヶ月分は概ね15~20分もあればテスト可能だと思います。
(1ヶ月間のトレード回数が多くないため)
3.バックテスト結果(損益%グラフ) ------------
下図にテスト期間における累積利益[%]を示します。
累積利益は初期資産に対する
資産の増減分を%で表しています
青線は買いのみ、緑線は売りのみ、
赤線は売り買いを合計した損益pipsとなります。
グレー線はユーロ円のチャートとなります。
(オープン・クローズ・高・安の単純平均)
まず特徴的なのが青線で示した買い損益について、
バックテスト期間中は右肩上がりで上昇しています(紫矢印①)。
一方、緑線で示した売り損益はチャートの動きに連動しています。
紫矢印②ではユロ円チャートが下落を続けており、
この間は売りでの利益が計上出来ています。
次に紫矢印③ではユロ円チャートが勢いよく上昇しており、
この間は全く売りでの利益は出ず、損失が重なっています。
そして紫矢印④ではユロ円チャートの上昇速度が遅くなり、
それに伴い売りでの利益も出ています。
チャートとの相関から簡単にまとめると、
円安で上昇すると買いで利益・売りで損失、
円高で下降すると買いで利益・売りで利益、
といった傾向があるようです。
なぜ買いではどの相場でも利益が出るか?
についてはよくわかりませんが、
少なくとも現時点ではこういった傾向があることを
バックテストでつかんでおくことに価値があると考えます
4.バックテスト結果(具体的数値) ------------
先はチャートと時系列で結果を示しましたが、
ここでは年ごとの具体的な数値を以下に示します。
・トレード回数
買;93勝88敗 勝率51%
売;73勝95敗 勝率43%
計;166勝183敗 勝率48%
概ね勝率は5割というのがこの手法のようです
・損益比
買;1.53
売;1.23
計;1.40
・1トレードでの最大利益と最大損失
最大利益;+4.3%
最大損失:-1.4%
・最大連勝連敗数
連勝;7連勝
連敗;7連敗
トレード中にこれに近い値が出てくると、
手法改善などが必要となるかもしれません
・最大ドローダウン
資産の-9.8%
トレード中にこれに近い値が出てくると、
手法改善などが必要となるかもしれません
5.トレード間隔 ------------
前述のようにトレード回数は3年4ヶ月で349回です
相場状況によりトレード日数間隔が開くことも考えられ、
特にリアルトレードだと、エントリーチャンスがないと、
不安になることもあるため、事前にどの程度の間隔で
トレードがあるのか?を把握しておくことは重要です
下図はトレード間隔日数と、その出現回数を示したものです。
なお土日は除いた日数としており、
例えば木曜の次に火曜にトレードがあれば、
実際には金土日月の4日間ですが、
ここでは金月(土日除く)の2日間となります
まず単純な平均でみると、
トレード間隔日数は3.9日となります
そして間隔2日を中心に1日から6日が大半を占めており、
概ね週に1~2回はエントリーチャンスがあると考えられます
一方で10日異常や最大で19日といった間隔もあり、
ごくまれに月に1回したトレードがないことも想定内なので、
たとえエントリーチャンスが来ない場合でも、
無理にエントリーせず、チャンスを待つのが重要です
なお過去の手法と比べるとエントリー回数が増えています
これは今回より、
ボックスブレイク方向のエントリーだけでなく、
状況に応じて買い売り両方のエントリーチャンスがあるためです
6.エグジットまでの日数 ------------
以下はエントリーからエグジットまでの
日数を示したものです。
多くの場合はエントリーからエグジットまで、
1日程度で終了しています。
なおこの日数が短くても長くても、
トレード勝敗に相関はないようです。
(ここでは示しませんがチェック済)
7.今後の課題 ------------
以上が2011年~2014年4月までの
NYボックス ver.7.0(ユーロ円)バックテストの結果となります。
今回より単純なルールだけではなく、
プライスアクションにも着目し、
より裁量部分が増えました
テスト結果では利益が順調に増える結果と
なりましたが、リアルトレードでは心理面も含め、
より注意深く、そしてチャンスが現れれば
躊躇なくエントリーすることが必要と言えます
8.さいごに ------------
久しぶりに集中してバックテストを行いました
バックテストは淡々とした作業になりがちですが、
今回は裁量部分も増えたため、
リアルトレード時ならどう感じるか?考えるか?
などと思いながらテストをしましたが、
リアルマネーが絡むとなかなか思うように
いかない場面も出てくるかもしれません
しかし、事前情報として、
この程度の勝率でこの程度の利益率、
トレードチャンスは数日に1回くらい、
最大連敗はこの程度、と知っておくだけでも、
心理面での負担は軽減できると考えています
追伸)
バックテスト結果等について、
不明・疑問点等あれば、
このブログのコメント・ツイッター・フェイスブックで
メッセージを頂ければ返信いたします。
参考文献)
NYボックスやポジションサイズの決定方法など
勉強したい方は以下の書籍をご覧ください
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全米最強のFXコーチ ロブ・ブッカーとZAiが作った「米国式FX」DVDBOOK
プライスアクションを勉強したい方は以下の書籍をご覧ください
プライスアクショントレード入門――足1本ごとのテクニカル分析とチャートの読み方 (ウィザードブックシリーズ)
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